確率論 1




 必要となるたびに勉強しては、すぐ忘れてしまう確率論の用語等を、自分のために一通りまとめておく。
 今回参考にしたのは、以下の2冊。(両方とも値段以上の価値のある良書だと思います。)
  • [1]結城浩, 数学ガール(乱択アルゴリズム)
  • [2]平岡和幸, 堀玄 プログラミングのための確率統計
  
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確率の定義の種類

 確率には以下の3種類があり、ここで扱いたいのは2番目.
  • 1. 古典的確率 : 高校でやった、場合の数の比を利用するもの. すべての事象が等確率で起こるという前提条件に基づいている。      
      ある事象の起こる確率 = (注目している事象の場合の数)/(すべての場合の数) 
  • 2.公理的確率 : 確率の公理により定義される確率.各事象の起こる確率が異なるものや、連続的な事象についても扱える.
     コルモゴロフの確率の公理 (正確なものはwikipediaへ.)
    Ωを注目する事象の集合とし,AとBをΩの部分集合、P(.)をΩの部分集合から実数への関数とする.
    公理1) 0<= P(A) <= 1
    公理2) P(Ω) = 1
    公理3) A∧B = {} (空集合) ならば、P(A∨B) = P(A) + P(B)
  • 3.統計的確率 : 発生頻度を実際に調べ、その比を確立としたもの.



離散確率分布

 コインの裏表、サイコロの出る目など、離散的な事象を扱う場合、離散(型)確率分布を考える.
 
用語 意味
 標本空間 : Ω 施行の結果として起こりうるすべての事柄の集合.
全事象とも呼ぶ.
 1個のサイコロを投げたときの目{⚀ , ⚁ , ⚂ , ⚃ , ⚄ , ⚅}
 標本(点) : ω∈Ω 標本空間の.施行の結果起こりうる個々の事柄.  ⚂
 事象 : A⊂Ω 標本空間の部分空間. 施行の結果起こりうる事柄. {⚀ , ⚁ }
 確率変数 : X(ω) 標本空間Ωから実数Rへの関数
(標本点に実数値を対応させるもの).
サイコロの出目は現象であって、実数値への対応は定義する必要がある.
例えばサイコロの出目の300倍の点をもらえるゲームの得点の確率変数は,
X(⚀)=300, X(⚁)=600, X(⚂)=900,
X(⚃)=1200, X(⚄)=1500, X(⚅)=1800,
 確率      ある事象の起こりやすさを表す. 必ず起こるなら1.  600点もらえる確率は P(X(ω)=600)
 確率分布 :
 P(A) or P(X)
任意の事象Aが起こる頻度を表すもの (注123).  下の図参照

  • 確率分布の例1 : 理想的なサイコロ 
    ω  P(X(ω))  
     300  1/6
     600  1/6
     900  1/6
     1200  1/6
     1500  1/6
     1800  1/6

    確率分布の例2 : 班長が使ってた⚃ , ⚄ , ⚅しか出ないサイコロ 
    ω  P(X(ω))  
     300  0
     600  0
     900  0
     1200  1/3
     1500  1/3
     1800  1/3

 注1)確率論では, 確率, 確率分布, 確率変数と,"確率"のつく異なる用語が出てくるので混乱を招きやすい.これらをちゃんと区別する.
 注2)確率分布(単に分布と呼ばれることも)は, すべての確率1を,各事象へどう振り分けているかを表すもので,離散分布なら上のように表の形で表せる.
 注3)確率分布を考えるとき,事象そのものでなく確率変数の値に注目すると, 「確率変数Xが値xとなる頻度はどの程度か」 を表すものとも言える. この場合,P(X=x)と表記する.
     少し進むと裏にある事象は無視して,確率変数とその確率分布に対する議論で話が進む.
 注4)確率変数というのが,確率の話をわかりにくくしている気がする.これは英語で言うとrandom variableで,ランダムにいろんな値を取りうる変数という事.
     で,各値を取る確率が確率分布P(X=x)で指定されている.



連続確率分布

   サイコロの出目のような離散的な標本空間でなく, 「ルーレットを回した時の針の角度[0,2π)」、「次に電話が鳴るまでの時間」のような連続的な標本空間を考える. 
用語
 標本空間 : Ω  ルーレットを回した時の針の角度 {θ|θ∈[0,2π)}
 標本(点) : ω∈Ω  θ=π/2
 事象 : A⊂Ω π/2≦θ≦π
 確率変数 : X(ω) 針の角度そのものを確率変数とすると: X(θ)=θ
針の角度の300倍を確率変数とすると: Y(θ)=300θ
 確率      針がπ/2とπの間を向く確率は, P(π/2≦X≦π)
 確率分布 :
 P(A) or P(X)
 確率密度関数を用いて表される(下参照).
    連続的な確率変数を扱う場合,確率変数が広がりを持つ値をとる確率はゼロでないが、その値がちょうどある値になる確率はゼロになる, , ため,
    確率分布(任意の事象Aにどの様に確立1を割り振るか)は, 離散確立分布のように表の形で書く事が出来ない.
    そこで,連続な標本空間の確率分布は,確率密度関数fX(X)や累積分布関数FX(X)を用いて表す.

 累積分布関数 FX(x) : 確率変数Xの値がx以下である確率,P(X≦x), を表す.
    - FX(x)は,0≦FX(x)≦1を満たす(広義)単調増加関数.
    - 連続確率分布では,X=aという標本点を考えても確率がゼロなので,広がりのある部分空間( X≦ a )を考えている. 

 確率密度関数 fX(x) : 累積分布関数の導関数で,X=x付近での確率の密度を表す.
    -次の関係が成り立つ.
      
      
      


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